【メンズヘルス最前線】テストステロンと冬虫夏草が握る“若さの鍵” 生物時計を巻き戻す新科学
2025年10月11日・12日の2日間、東京・浜松町コンベンションホールにて開催された、第25回日本メンズヘルス医学会に参加してきました。

全国から約400名の医師、研究者、リハビリ専門職、企業・行政関係者が集い、
「人生120年時代のメンズヘルス」というテーマのもと、男性の健康寿命をいかに延ばし、
心身ともに豊かな人生を支えるかについて、熱い議論が交わされました。
今回、男性更年期(LOH症候群)の最新知見を求めて参加した私にとって、最大の収穫は、医療だけでなく、運動や栄養、心理といった多様な分野が手を取り合って「男性の健康」を支えようとする力強い動きを肌で感じられた点にあります。
「“人生120年時代”って、健康の質がこれまで以上に大事になりますね。」

「確かに…長く生きるだけじゃなく、“元気に生きる”ことっすね!」

「“健康寿命をどう延ばすか”は、もはや医療だけでは解決できない課題だ。社会全体で支える仕組みづくりが必要だと感じた。」

テストステロンは若返りのバロメーターだった

「創造長寿」〜生物時計・テストステロン・サプリメントから考えるメンズヘルスの未来〜
講演:堀江 重郎先生(順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器科学・創造長寿医学)
学会1日目の午後、特に印象に残ったのが、堀江重郎先生によるランチョンセミナー「創造長寿」。
タイトルからしてワクワクするテーマでしたが、内容は想像以上に奥深く、「男性の健康の未来」をリアルに感じさせる講演でした。
テストステロンと「生物時計」のつながり
講演の中で最初に登場したキーワードが「エピジェネティック・クロック」。
正直、初めて聞く言葉でしたが、これはDNAのパターンから“体の実年齢”を測る指標だそうです。
いわば、“本当の老化スピード(生物学的年齢)”を見える化する技術です。
驚いたのは、テストステロンの値がこの生物学的年齢と深く関わっているという点。
最近の研究では、テストステロンが高い人ほど、生物時計の進み方がゆっくりで、
見た目だけでなく、細胞レベルでも若さを保っている可能性があるそうです。
「つまり、テストステロンは“若さのバロメーター”でもあるんですね。」

この話を聞いて、“男性ホルモン=筋肉や性機能のため”という従来のイメージが変わりました。
テストステロンは、心の張りや集中力、そして老化スピードにまで関係している。
まさに“生きる力”の根幹みたいな存在なのかもしれません。
「クロックを巻き戻せるか?」という挑戦

後半でさらに印象的だったのが、「クロックを巻き戻せるか?」という問い。
つまり、「生物学的な老化を“逆回転”させられるのか」というテーマです。
現在、運動や栄養、サプリメントを使った実験が国内外で進んでおり、
その中でも、今注目されているのが冬虫夏草(とうちゅうかそう)。
古くから疲労回復や活力アップに使われてきたキノコの一種ですが、
最新の研究では、ステロイドホルモンの合成経路を刺激してテストステロンの分泌を促す可能性があるとのこと。
堀江先生のチームと第一工業製薬による共同研究では、
日本産の「カイコハナサナギタケ冬虫夏草」を使ったサプリメント『天虫花草』を4週間摂取したところ、テストステロン値の上昇とともに、抑うつ感や疲労、不安などの症状が軽くなったという結果が出たそうです。
「“自然の力×科学”でここまで証明される時代になったんだな。すごいよ。」

会場ではこの『天虫花草』のサンプルをいただいたので、さっそく1か月間、自分でも試してみることにしました。
100%国産の素材でつくられており、安全性も確認されているとのことなので、安心して取り入れられそうです。

AMSスコア(男性更年期チェック)を前後で測定して、
その変化をこのブログかXで報告する予定です。
“自分の体で検証する”のも、こういう学びの楽しさの一つですね。
「創造長寿」という考え方
堀江先生が掲げる「創造長寿」という言葉には、深い意味があります。
ただ長生きするのではなく、自分の力で健康を“創り出す”という発想です。
ホルモン、遺伝子(エピジェネティクス)、栄養、運動といった要素を組み合わせ、
男性が心身ともに健やかに生きる未来を“デザインする”。
老化や男性更年期を「避けるもの」ではなく、「上手に付き合いながら前向きにコントロールしていく」。
そんな柔らかな視点が、“創造長寿”という言葉の中に込められているように感じました。
「所長、“老化を恐れずに整える”って考え方、素敵ですね。」

「ああ、年齢を重ねても、自分のペースで元気を創れるってことだな。」

まとめ:テストステロンは“生きる力”のスイッチ
今回の講演で、私は改めてテストステロンの奥深さを実感しました。
このホルモンは、ただの数値ではなく、心・体・脳をつなぐ“生きる力のスイッチ”なんだと思います。
テストステロンを高めることは、男性更年期の克服だけでなく、
生物学的な若返り=“人生をより元気に生きるための鍵”にもなり得る。
学会初日を終えて感じたのは、「メンズヘルス」はもう一部の医療領域ではなく、
生き方やライフスタイル全体に関わるテーマになっているということでした。
この講演は、その未来を示してくれた気がします。
「なんか今日の話、すごく前向きになれますね。」

「そうだな。健康を“取り戻す”より、“創り出す”。それがこれからの時代の生き方だ。」

参考リンク
この記事の参考論文はこちら
Fitzgerald KN, Hodges R, Hanes D, Stack E, Cheishvili D, Szyf M, Henkel J, Twedt MW, Giannopoulou D, Herdell J, Logan S, Bradley R. Potential reversal of epigenetic age using a diet and lifestyle intervention: a pilot randomized clinical trial. Aging (Albany NY). 2021 Apr 12;13(7):9419-9432. doi: 10.18632/aging.202913. Epub 2021 Apr 12. Erratum in: Aging (Albany NY). 2022 Jul 27;14(14):5959. doi: 10.18632/aging.204197. Erratum in: Aging (Albany NY). 2024 Mar 15;16(5):4943-4945. doi: 10.18632/aging.205700. PMID: 33844651; PMCID: PMC8064200.
黒慎一・斉藤大輔(2023)カイコを資源とした健康食品の開発による地方創生と国民医療費削減への貢献. 蚕糸・昆虫バイオテック, vol. 92, no. 2, 2023, pp. 71-74. https://doi.org/10.11416/sanshikokon.92.2_071.
山本真史,他. アンチ・エイジング医学,20(4),47-58(2024)

